いよい走らない私は朝ちょっと遅くの出発。食事を終えて部屋に戻ると緊張した顔の友子ちゃんが、『りかさーん、私だめかも。。』。『友子ちゃんができることを精一杯やればいいんだよ』と言って送り出す。初めてのリレー、ミヤウチーバンバに次ぐアンカーの抜擢、緊張しないわけがない。
会場に着けば観戦モード。1走ミヤウチのゴールまでは観戦、2走洋子ちゃんが走りにいったところで、思い出したようにチームテントに戻った。オフィシャルはパブリックのチームゾーンと次走者のケアで選手テントには鈴木トレーナーと出番を待つ松澤君しかいなかった。3走は待つ時間が長い。リレーの展開にも関心があるがそれより自分の出番を待つために集中するしかない。これまでリレーを走ってきて、アンカーを走ることが多かった私は、その間の気持ちがとても良くわかる。
去年は自分の準備をしつつ、周りに誰一人いないことに不安を覚えていた。もちろん自分で時間の管理はするし準備もするし集中しているけれど、誰か身近に知った顔がいるだけで安心する、それは今までの経験の中で感じたことだ。走るのはもちろん自分だけれどチームメンバーの代表として走るだけなのに。
選手テントに戻ると友子ちゃんは思ったとおり朝よりひどい顔をして緊張していた。
私は何をすることもなくそばにいて、ときおり声をかけたりし、彼女がスタート枠へ行くまでそばにいてゴール裏からリレーの状況を見ていた。
『どうしよう、りかさん』、『とにかく自分ができることをやればいいよ、ラスポ付近に他の選手がいたらとにかく抜かしなさい、それが友子ちゃんの仕事』。
その後友子ちゃんは前半踏ん張り、後半も踏ん張り、友子ちゃんらしいオリエンテーリングをして11位でゴールすることになる。
前日洋子ちゃんは2走がつらくて緊張のあまり泣いていたとのこと、友子ちゃんもまた初リレー、アンカーで極度の緊張に達していた。さきこさんは時計をせずに1走を走った。
みんなそれぞれが与えられた役割を果たしたことで大きな壁を越えたんじゃないかと思う。これから強くなるね。