THE OMM 2015  (1)

1日目、雨のスタート地区。日本チーム視察団も地図配布の手伝いをしていた。
1日目、雨のスタート地区。日本チーム視察団も地図配布の手伝いをしていた。

昨年に引き続きイギリス本国で開催された THE OMM 2015に参戦してきた(2015.10.25-26)。

主催者、日本大会実行委員会のご厚意で招待としていただいた。

web 

https://www.theomm.com/omm-2015-tweedsmuir-scottish-borders/


今年はスコットランドの首都であるエディンバラから南に約60㎞、イングランドとスコットランドの境界地域、小さな村Tweedsmiur周辺での開催。本国での10月末に開催されるこのレースは THEがつくことにもシリーズのなかでも一番レベル高く重要で大きな大会である。THE OMMだけでこのイベントを指す。

 

昨年はAクラスに出場、レベル高く1日目にタイムアウトで失格。今年はBクラスに落として出場。2日間で約55㎞、登距離2700m。

イギリスで暮らしていたTAC杉山からは去年の競技エリアよりは走りやすい、足場がよいと思うと前に情報を得ていた。

 

結果として1日目は順調にフィニッシュしたが、2日目最後の最後、残り3,4㎞ほどを残してタイムアウトになってしまい悔やしい結果となった。

2年続けて失格という厳しさは、オリエンテーリングでは世界の舞台で闘ってきて、国内ではトップレベルのナビゲーション能力や体力を持ちながらも本国では完走できないという、ある意味よい見本になったのかもしれない。我々が出場したBクラスは100チーム、うち完走は45チーム、柳下(OMM JAPAN2014ストレート総合優勝)&山田(同大会2位)が出場したエリートクラスでもたった6チーム、彼らも失格であったことから、厳しいことがよくわかる。


今後本国大会に参加したいという人たちのためにしてきた準備と装備、レースの考察、次回への展望を記しておきたい。書き記すことによりまた来年、我々がチャレンジする動機づけになるだろう。

1日目、1番コントロールをチェックしたあと、給水中
1日目、1番コントロールをチェックしたあと、給水中

準備

村越さんとは長年チームを組んでおり、お互いのことをよく知っている。去年も同レースに参加した。一緒のレースは4月に組んで以来。それまでお互いの体力状況を確認しつつ、夏に白馬へ23日の縦走をし練習とコミュニケーションを図った。

 

装備

去年の反省を踏まえ、さらに軽量化を試みる。チームのスピードバランスを取るため、村越さんに共同装備はじめ荷物を多く持っていただいた。

 

ザック: OMM Classic 32

シューズ:inov8 Trailroc 245

 

他チームと競りながら走る
他チームと競りながら走る

衣類(1日目着用と着替えを含む)

アンダー:ファイントラック スキンメッシュタンクトップ x 1、ファイントラック スキンメッシュ半袖 x 1、長袖ベースレイヤー:TRIMTEX FLEXシャツ(長袖) x 2icebreakerメリノウール長袖 x 1(予備)

ミッドレイヤー:Kathmandu(N.Z.、オーストラリアのアウトドアブランド、さしずめN.Zのモンベル)の薄手のフリースジャケット

ウォームウェア:TRIMTEXダウンジャケット(Fillpower700)TRIMTEX Trainer TXロングパンツ、TRIMTEX ADVANCEロングタイツ

透湿・防水ウェア上:OMM Kamleika Jacket (Nomadicsさまより提供品)

透湿・防水ウェア下: OMM Kamleika Pants

他小物:下着パンツ x 2TRIMTEXロングソックス x 2TRIMTEX Thermo Cap, TRIMTEXチューブバンダナ、MONTANE Prism Glove

 

 

Advanceタイツは相変わらず肌触りがよく締め付けなくストレスがない。気持ちよい。

テント内では快適でいたい。今回はタイツ+防水パンツ(Kamleika Pants) でレースし、テント内ではTRIMTEXロングパンツでしのいだ。翌日はそのロングパンツのうえからまた防水パンツ。
ロングソックスは防寒、スネあての代わりにもなってよい。ただしソックスとシューズの相性は重要。でこぼこの不整地かつ湿地と濡れる場面で、長時間シューズの中で足裏が滑らないようフィットしないと、すぐに足裏を痛めたり皮がむけてしまうだろう。

他、耳、足先、手先、首筋の保温を大事にした。チューブバンダナはあらゆる場面で重宝した。またジャケットのフードも強風時とても役立った。

 

ザックは新調した。去年のinov8ザックよりはるかに背負いやすく、重くてもバランスがよく安定する。おかげで走ることも苦痛でなく安定し、気持ちよく走り前に進めた。

防水パンツ(OMM Kamleika) も新調した。去年はPacliteのゴアを使っていたが、本戦前に1度使ってみて、ストレッチ素材で伸びて軽く使い勝手がよいのでこちらに変更。ただし軽さを重視し薄い作りのせいか初回使用時にすでに穴が開いた。2回目の今回も数か所穴が開き破けた。仕方ない。

日が落ちる前にフィニッシュでき、テントも張りほっと一息。おっくうで下半身はまだ着替えていない
日が落ちる前にフィニッシュでき、テントも張りほっと一息。おっくうで下半身はまだ着替えていない

寝具:

寝袋:OMM Mountain Raid 1.6

カバー:SOLエスケープヴィヴィ

マット:ザックのうすっぺらい背面パッド

マットは薄くどうしようと思ったが、今回はキャンプ地が牧草地で地面が柔らかくフラットのため問題なかった。しかもくたびれてすぐ寝てしまった。ただし、冷気が襲ってくるため、1日目使った地図はもちろん、あらゆるビニールや1日目の汚い衣類なども敷いて冷気を遮断して対応。確実に0度以下の気温では、防水ジャケットと1日目のアンダー、ベースレイヤーを除きすべてのものを着て、寝袋も絞って潜って寝ていたがそれでも寒かった。もう1枚シルクのシュラフカバーをもっていったほうがよかったと思う。明け方3時間ほど寒くて眠れなかった。

 

その他 

CASIOプロトレック(電波時計)、手ぬぐい1、歯ブラシ(歯磨き粉付き)1、ヘッドライト1(GENTOS),ハンドライト1(ジェントス)、モスクワサムコンパスFast 1、、頭痛薬、胃腸薬、J&Jバンドエイド、ホイッスル(ザック装着)、給水:platypus 2lx 1, Platypus 500ml x 1,リップ(重要)

 チタンのシェラカップ1、スポーク1、防水スタッフバッグ20l x 1、厚さ0.08mのチャック付きA3サイズ/A4サイズポリ袋それぞれ3枚、そのほか必須装備

我々のテント。2日目のスタート、撤収前
我々のテント。2日目のスタート、撤収前

ハイドレーションは苦手なのでPlatypusを用意。ただし飲み口がキャップなのでいちいちはずさねばならず、これは次回改善が必要。

大きいPlatypus->小さいPlatypusに水を入れ替えるのも時間がもったいないと言えばもったいない。やはり我慢してハイドレーションだろうか。工夫が必要。

着替え等々は小分けにするのが面倒、パッキングも面倒なので1つの大きな防水スタッフバッグにいれて管理。他、透明な厚さ0.08mのポリ袋はいろいろ役に立つ。汚れものやごみ袋、地図が破けた時の補助にもなるのでA3サイズを持って行った。

 

共同装備

テント:Nordisk Telremark2 UWL (880g)

レスキューシート(テント内シートの代わり)

ウェットティッシュ1袋・ポケットティッシュ2、防水ノート、防水鉛筆、ガスカートリッジ、ガス(Primusの一番小さいサイズ)、コッヘル大、スーパーレジ袋2(ぬれたシューズを履き外に出てトイレに行くのに袋の中に足をいれてシューズを履く)、テーピングなどファーストエイドキット、モスクワコンパスプレートタイプ(Fast)

そのほか必須装備

 

テントは去年主催者からTelemark1を借りたがさすがに窮屈だった。居住性と快適さを優先し110g重い880gのTelemark2を共同購入した。キャンプ地に到着が暴風時のことを考え、テントをすぐ広げて建てられるようにパッキングを変えて工夫した。
Telemark2は頭側の幅はエアライズ2よりもむしろ広く快適。また前室も広く調理をするのに十分な広さ。ただし一部メッシュのため風がテント内に入ってくる。手ぬぐい、ビニル袋を当てて少しでも風が入ってこないようにした。
 

食料編、他、次回に続く。

 

続編はこちら THE OMM 2015  (2)